前回、前々回とBtoCのWebマーケティングについて解説させて頂きましたが、今回はBtoCもBtoBもありえる士業です。
士業の方にも「Web広告をどうすればよいか?」というご質問を頂きます。もう一度私の目的をはっきりさせておきます。「悪質なネット企業から中小企業を守る」です。私自身が長年Webマーケティングを専門とする企業に勤めておりまして、いかにネット企業がリテラシーの差(情報の非対称性)を利用してお金儲けをしているのか目の当たりにしていました。(※もちろん優良企業もいます)そういった企業から様々な業種を守るためにこのサイトを運営しようと思い立ちました。
私なりに士業のWebマーケティングを長年担当させていただいておりました。その中でいろいろと気付きがありましたので、今回は「士業のWebマーケティングの方法」をご紹介させて頂きます。全国のWebマーケティングで悩まれている士業のみなさんに少しでもお役に立てれば幸いです。
士業のホームページは必要か?
まず、士業と言っても様々な種類があります。なぜ今回は「士業」という大きなくくりにしたのかというと、戦略的にそこまで差が無いからです。弁護士、税理士、社労士など戦略的なwebマーケティングの中身はあまり変わらないのです。ですから今回は「士業」という大きなくくりにさせて頂いております。もちろん細かい部分で違いはあるのですが、そちらはまた別の機会に。
さて、ホームページの必要性ですが、圧倒的にホームページは必要です。すでに強力なコネクションが存在し、どういう状況になってもコネクションが切れないという方以外は、ホームページは必須です。中にはポータルサイトやフェイスブックなどがあるから大丈夫と思っている方もいらっしゃるかもしれませんが、大間違いです。ポータルサイトは、差別化が難しいですし、フェイスブックはユーザー数が限定されます。ですので、ホームページはホームページ、ポータルはポータル、フェイスブックはフェイスブックと、別でお考え下さい。こうやって自分たちでコントロール可能な領域を増やすというのは重要な戦略です。そういった観点からもホームページはコスパの良い戦略と言えるのです。
またメリットとして、時間が経つほどメリットが増える、レバレッジが効くとも言えます。なぜなら、時間が経つほどSEOに強くなるし、ブログなどされるならコンテンツが増えるほどSEOに有利に働くからです。
もはやすべての職業がWeb上に情報がないと存在しないも同然となっているのですが、士業の方もしかりです。マーケティング的に言うと、Webでのポジショニングがとても重要なのです。仮に身近に競合がいてもしっかりとした戦略をもって独自のポジショニングを築けば、売り上げは安定していくのです。
しかし、高額なお金を払ってホームページを制作する必要はありません。ここは注意が必要です。もしかしたらいろんな営業会社さんから営業の電話がかかってきて、ホームページ制作は高額なお金がかかるというイメージをお持ちの方がいらっしゃるかもしれませんが、そんなことはございません。各業種に特化したホームページ制作会社などもございますが、すべてを真に受けず、慎重にお選びください。
今はいろんなツールが出てきており、ホームページの制作コストもかなり下がってきております。はじめはご無理のない予算の範囲で制作しましょう。高額だから良い、低額だから悪いというのはずっと昔の話です。今は低額でもそこそこのサイトは十分作れるのです。
目安としては、低予算でしたら20万~40万円、そこそこ予算を掛けても良いかなという方は50万~70万円ほどで大丈夫だと思います。
最近は月々1万円でランディングページが作れるサービスなんかもあると思いますが、こういったサービスにも注意が必要です。なぜなら、ランディングページというのは、基本的には広告用のページだからです。つまり、広告を出すことが前提のサイトなのです。ですので、ランディングページを作っても広告を出さないのであれば、成果は出にくいのです。このあたりも意識してお考え下さい。
広告は必要か?
こちらもよく質問される項目の一つです。
結論は必要です。
現在、ポータルサイトなどに登録されていて集客に困っていないという方でしたら、すぐに広告を出す必要はないかもしれません。しかし、考え方によっては資金に余裕があるときに次の施策を打つというのは重要な戦略になってきます。ですので、今は大丈夫と安心せずに次の施策をどんどん考えなくてはならないのです。なぜなら状況は刻一刻と変わり、勝者と敗者が常に入れ替わる業種だからです。
この業種は、ユーザーとのタッチポイントがほとんどオフラインからオンラインへ移行していると考えています。ですから、なおさらネット上での施策が重要なのです。
実際に私が担当させて頂いた士業は、地方の方がほとんどでしたが、広告の施策を行って、それなりの成果が出ていました。少人数で運営されている方が多かったので、案件数に限りがありましたが広告を配信したり停止したりしてバランスをとっていました。
特に有効だったのが「リスティング広告」です。クリック単価もそこまで高くなく、費用対効果が高かったです。もちろん業種と地域によりますが、特に弁護士は費用対効果が見込めますので、ぜひチャレンジしてみてください。
ここでマーケティングの基本を押さえておいてください。
誰に(WHO)?
何を(WHAT)?
どうやって(HOW)?
この3つを意識することが非常に重要です。
現在は様々なメディアが乱立し、ユーザーの消費行動もより複雑になってきています。そこでまず、「誰に?」から決めていくことが重要です。つまり、ターゲットの設定ですね。
これは、受注したい案件から逆算すればすぐに明らかになるはずです。例えば、弁護士で「離婚相談」の案件が欲しい場合、ターゲットは「離婚を検討している40代の女性」に設定するとします。これで、上記の「WHO(離婚を検討している40代の女性)」と「WHAT(離婚案件に強い弁護士)」が明確になりました。この2つが決まれば、次は「HOW」の設定です。この場合、かなり属性が絞れるので「Facebook広告」もしくは「リスティング広告」で的確なキーワードで出稿するのが無難です。
こういった感じでお考え下さい。
リスティング広告のメリット
士業の広告で最適なのは「リスティング広告」です。
リスティング広告のメリットは、即効性があることと、興味レベルの高いユーザーにアプローチできることです。反対にデメリットはお金がかかることです。
地域によってはリスティング広告を駆使すれば必ず費用対効果はよくなります。しかし、あきらかに人口密度の低い地域ではリスティング広告の効果は得られませんので、ご注意下さい。
リスティング広告の場合、重要なのがキーワードの選定になってきます。
流石にこの辺りは経験値が無いと難しいと思うので、知識のある方に相談されるか、ご自分で経験値を蓄積できるように広告費を少額からスタートするのが良いと思います。
広告費は地域やキーワードにもよりますが、私は月10万円から始めるのが良いと思います。広告費は少なすぎると、機会損失が出ますので注意してください。
広告を打たないという選択
この場合、最適なのはブログ、またはSNSです。そもそも士業は口コミの効果が高いため、お客様との接点は多く持つべきでしょう。慣れていないかたはハードルが高いと感じるかもしれませんが、無理のない範囲で初めて見るのが良いです。
以上、今回は簡単な説明となりましたがなんとなく概要を抑えていただければと思います。
私はもともとWebマーケティング会社に在籍していたのですが、リテラシーのないお客様に対して酷い提案を繰り返していたので、退社を決意し、今後被害者を出さないようにこうやって発信していくことにしました。みなさま、どうかWeb会社に騙されないでください。